田嶋幸三著、光文社新書、2007年11月20日発行、定価:本体720円+税 ISBN978-4-334-03426-9
この本は、個々のサッカー選手が論理的に考え、自主的に判断する力をつければ日本のサッカーも強くなると主張しています。また、若手選手の育成の為には全寮制のエリート教育が必要であり、それを福島で実践していると述べています。今回のワールドカップで日本チームが活躍しているのは、この本に書かれている選手育成がうまくいった結果なのかもしれません。
論理的に考えるのは工学の世界では当たり前ですが、普段の生活の会話は論理的でしょうか?「あれ」という代名詞でお互いの会話が成り立ってしまうことはありませんか?英文に訳そうとしたら主語が見つからない日本文になっていませんか?「言語技術」は子どものころから論理の通った話をするための訓練方法を提示しています。5W1Hを思い出してください。
サッカー選手が試合の中で自分個人と周囲の状況を観察し、論理的に判断してパスをだす能力を高めることがチーム強化につながるは間違えないと思います。日本人はグループで仕事をすることは得意ですが、グループの個々のメンバーが仕事に対して論理的に考えて意見をいうことは少ない気がします。グループのリーダーの言いなりになっていては良い仕事はできません。
日本の教育は答えのある問題を出して、ひとつの正解しか認めないのが普通です。ところが社会に出れば答えのない問題、あるいは複数の答えの考えられる問題がたくさんあります。子ども達は、先生が提示する正解と違ったことを発表したがらないですし、なぜそれが正解なのか?どういう考え方でそれを求めるのか?といったことには頓着しません。
人と違った意見を持つことをきらうような子どもを育てる教育はよくないと思いますが、子どもたちを教える先生方も同じ教育を受けてきているのですから、自立した個人を育てるのは家庭と地域社会の役割と思うしかありません。この本は、サッカーだけでなく日本を変えるためのヒントになると思います。
