過去を振り返るのも重要なことなのですが、あまりに過去にとらわれすぎるのも禁物です。
人間は、とかく自分の記憶している範囲でしか、状況判断ができない生物です。
どういうことかというと、例えば、ご自分の両親や友達、あるいは恋人など、自分の身近な人の顔を思い出せるか考えてみてください。髪型はどうだった?ほくろの有無や位置は正確に覚えてますか?紙に思い出しながら描いてみると歴然ですが、結構、覚えていないものです。人間の顔が書けなかったら、動物はどうでしょうか?鳥の足ってどんな形をしてますか?蛙の指は何本あったでしょうか?
皆さんの記憶の中で、「あたりまえの事実」と感じていることが、結構、曖昧で、不完全な記憶であることが明白になると思います。それでも、人は、親友に会えば認識できるし、心を開くことが出来ます。その曖昧さの延長で、ご自身の過去の経験を同様に評価してしまうと、どうしてもその過去の出来事にとらわれてしまって抜け出すことができないのです。
逆転発想して、未来を基軸に発想してみると、そういったトラウマから抜け出すことができるようになることがあります。例えば、何万光年も離れた恒星が爆発したとします。その瞬間、その星は消え去っているのですが、当然、われわれの眼にはまだ、その星が現実に存在するかのように光輝いて見えるわけです。しかし、発想を変えて、現実に見えているものは、既に過去の現象であると考えることもできますよね。 そう、今まさに現実に直面している事は既に過去の事象であると言い換えることができます。
数万年前に爆発して消え去った恒星が、眼の前で光り輝くように、今起きている現象は過去のものだと発想します。そうすると、現実はどこにあるのかというと、自分の頭の中、これからどう動こうか、活動しようかと考えるその瞬間こそが、現実であることに気がつきます。そのトレーニングを繰り返すと、数分後、数時間後、数日後、数年後の自分の未来をある程度、発想することができます。
未来は予測するものではなくて、発想するものだという事をお話したいわけです。逆に、そういったトレーニングをせずにいた場合、未来は、決められた通りの結論しか生み出さないでしょう。なぜなら、爆発してしまった恒星はいずれは消え去ってしまうわけで、消え去ってしまう前に、もっと明るい星を探すなり、一つの星ではなく、星座や星雲に視野を広げるなり、自分なりの工夫ができるはずなのです。
現状に甘えることなく、常に前向きに生きていくという意味は、実践的には、流れていく時間を忘れることなく、過去と現実と未来をはっきりと見極めて、自分自身の意識(頭脳)の中に現実世界を明確に構築することなのではないかと思います。そしてその現実世界を過去のものに移し替えていく行為が、生きて来た成果だという事が出来ます。
ちょとした発想転換をトレーニングすれば、発想した明日の事が過去の実績として実現できそうな気がしてきますでしょ?そういうい気がしなかった方は、夜空でも見上げながら、蛙の指は何本あったか思い返してみましょうか・・・。